先日あるクラスで、テスト前に生徒からお金を渡された。賄賂だ。
「学校のテストで忙しくて勉強できなかったんだ」と。
もちろん受け取らなかった。ここは学校や大学と違って落第なんてないし、どの生徒も自分に合ったレベルのクラスで勉強する。
そもそもこの学校は義務でも何でもない。そこまで必死になる必要はない。
教師への贈賄はここでは普通らしい。苦手な教科のテストのときには、生徒は教師に500〜1500som(800〜2400円ほど)を渡して合格させてもらう(物価は日本の3分の1程度)。
「期末テストは順調?進級できそう?」と生徒に聞いたら、「苦手な科学のテストでは先生にお金渡しといたから完璧」とか答えられた。
進級するために必死になる気持ちはもちろん分かるけど、多くの生徒はバイトをしていないため、そのお金は親のお金ってことになる。嫌な教科のためにそのお小遣いを使ってしまうなんてもったいないじゃないか。
私に賄賂を渡そうとしてきた生徒は、よく授業で「世界はカネに支配されている。もっと大切なものがある!」とかかっこいいことを言ってくれるのだけど、言っていることとやっていること矛盾してないかい?と思ってしまった。
授業だけでは足らないから個人的に会話の練習をさせて欲しいと言ってくる生徒もいる。
これはむしろ嬉しいので、カフェとかで会ってただ話したり、分からないところを教えてあげたりする。
よく授業で聞かれるのが、北方領土問題。
旧ソビエトの国だけあって、ロシアと日本の関係は気になるらしい。
憲法改正を求める車。よく日本でも見るね。警察から注意を受けている。
ホワイトハウス前では今でも市民による抗議活動が続いている。
ムスリムが7割以上を占めているだけあって、子供の数が本当に多い。
一世帯当りの子供の数は3人〜多くて10人など。街を歩いていると若い人ばかりだ。
だが一方で、キルギスやウズベキスタンでは高齢者の数も増えており、病院のベッドの不足で治療を受けられない患者や、退職後に十分な年金を受け取れない人が増えているのだとか。
普段は弁護士として働いている生徒(30歳)がいるのだが、彼女が一ヶ月に稼げる額は2万円程度。なんと私よりも少ない。
物価は確かに安いけど、家賃や光熱費を含め、更に年金を納めるとなるとかなり厳しいだろう。
彼らがしきりに政府に対して抗議するのは納得できる。10年、20年でこの国がどう変化していくか少し楽しみだ。