2012年5月9日

対独戦勝記念日 〜キルギスの何が嫌い?

 
今日は、対独戦勝記念日。
一部ヨーロッパや旧ソ連の国はどこも祝日で、戦争の勝利を祝う。ヨーロッパでは58日だが、モスクワ時間で9日だったため旧ソ連の国は今日が祝日。

敗戦国である日本で生まれ育った私にとっては、戦争の勝利を祝うということに若干の違和感を感じる。もちろんみんな戦争が好きという訳ではないのだろうが、やはり勝利は勝利。
嬉しいものなのか。複雑だ。



お祭り騒ぎ。
なぜか彼らを見ていて鳥肌立った。例えば日本で、W杯の試合に勝った日の夜東京の街中でお祝いするのとは訳が違う。人が死んでるんだぞ?それでも勝利は勝利なのか。もし日本が戦争に勝っていたら同じように祝ったのだろうか。

今日ばかりは兵士も人気者。ホワイトハウスやマナス像の前で一緒に写真を撮ったり。
いやいや、普段兵士たちに文句ばっか言ってるのに。おかしくないですか?


*********
この間、早速プログラム制作のお手伝いへ行ってきた。
刑務所へ入り撮影やインタビュー。人生初の刑務所。

その会社のジャーナリストの方に、「キルギスの嫌いなところは何?」と聞かれた。面白い質問だ。

キルギスのどこが気に入った?という質問は、会う人ほとんどに聞かれる。もちろん他の国でも。でも、嫌いなところを聞いてくる人はその人が初めて。

この質問には結構考えさせられた。「まじかよ」と思うことは山ほどあるけど、それは別に嫌いな訳ではないし、ここが海外だから許容できる。
むしろ文化の違いとして楽しめる。もし同じことを日本で経験したら、イライラして文句を言いたくなるのだろうが。

例えばマルシュルットカ(ミニバス)。
車内は人ですし詰め、そして降りたいところでアスタナヴィーチェ!(ストップ!)と言って降りる。
でも、人が邪魔して窓の外が見られない上、眩しいからと皆カーテンを閉める。
しかも窓は自分の腰あたりの位置にあるため、余計見にくい。当然、日本の電車やバスのように「次は〇〇です」なんて言ってくれない。
ちょっとでもぼーとしてれば乗り過ごしてしまう。時刻表もない。
やたらと飛ばす運転手もいれば、嫌がらせじゃないかと思うくらいゆっくり運転する人も。

もう今は慣れて降りる場所も感覚で分かるようになったが、初めは苦痛でたまらなかった。
でもそれが嫌いかと言われたら、違うんだよなあ。
だってこれがキルギスだし。

あと時間にとにかくルーズ。
というより日本人がやたら時間厳守なのか。待ち合わせ時間に30分〜1時間遅れてくるのは当たり前。
「あと5分」と言われたら最低でも15分は見た方がいい。
それから「〇〇までバスで何分か」と聞いて、「大目に見て20分」と言われても決して20分以内には着けない。基本もうプラス20分は見た方がいい。

でも、世界中の国できちんと時間を守るような国ってほんの一握りだと思う。

キルギスの人にとってこの国の嫌いなものは、とにかく政府。
確かに聞く話ではここの政府はひどいが、正直私にとっては関係ないことだし、むしろ政府がまともに機能して経済が発展していたら物価が高くなっていただろうから、かえってラッキーだ。そんなことは口が裂けても言えないが。

日本に来た外国人に、「日本のどこが嫌いか」聞いてみると面白いと思います。日本に居るときによく聞いた文句は、「Wi-Fiを使える場所が少ない」「緑が少ない」「店員がやたら謝ってくる」。嫌いな部分を聞いてみると、今まで知らなかった日本を知ることができるかも。

0 件のコメント: