2012年5月3日

一ヶ月経って、思うこと

 
最近はホストファミリーが不在なことが多く、一人暮らし状態。
一応私は外国人なのだし、ホストは何も怖さとか感じないのかと不思議に思う。
私は別に構わないのだけど・・
 
先日スイス出身のパッカーの人と話す機会があったのだけど、彼は「キルギスの山はスイスの山より美しいと思う。ただ、サービスの面で劣る」と言っていた。

美しい自然があればそれだけで良くて、どの高級レストランやホテルよりも比べられないほどの価値があると私は思う。
だから私はキルギスの山が好きだ。下手なお土産屋さんも山小屋風なカフェなんかもない。
どーんと山が構えているだけ。これがいい。

先々週山で馬に乗せてくれたおじさんも、それで商売をしている訳ではなく、ただ我々が頼んだから馬を貸してくれただけだったからなあ。旅人からすればそれで十分なんだよね。

ホテルや旅館が建ち並んで、お土産屋さんに群がる人で賑わっていたら、本当の自然を楽しめない気がする。
もちろん人によって楽しみ方は違うけど、自然そのものが持つありのままの風景やにおい、動物の鳴き声や糞でさえ、心を満たしてくれるし、少なくとも東京のオフィス街よりはずっといい。



ビシュケク市内では18階以上ある建物を建てると法律違反になる。
山の景観を失ってしまうから。高層ビルを建てるのはそれほど難しいことではないけど、7000m級の山を人間の手でつくるのは不可能だもんね。

私のホストファミリーが住むフラットではよく停電が起きる。
全部屋停電。ろうそく一本で夕飯を食べることもしばしば。水もたまに出なくなる。
決して水不足という訳ではなく、下水が整っていないためである。

でも文句を言う人など誰もいないし、みんなそれぞれに知恵を働かせて乗り切っている。
それで十分だと思うんだなあ。
 
生徒たちにキルギスについて教えてくれと言うと、多くの生徒が「キルギスには、お金はないけど美しい山々と湖がある」と誇らしげに話してくれる。
日本の生徒たちはどのように自分の国を紹介するのだろうか。

昨日はHTCという会社を訪問。
テレビやラジオの番組を制作・放送している会社で、昨年の東日本大震災後に日本に来て取材もしたらしい。全施設見せてもらい、来週から経済・政治・評論の番組制作のお手伝いをたまにすることに。
日本の情報を取り入れたいそう。間違ったこと教えないように気をつけなければ・・

もうビシュケクに着いてから今日で1ヶ月。日本はGWだね。

こっちにも休暇はあります(私のインターン先は関係ないのだけど)。
第二次大戦で旧ソ連がナチスドイツに勝ったのが59日。キルギスの陸路国境は今閉まっているらしい。

もう今の時点で、私がこれまでに一番長く滞在した海外の国がキルギスとなる。
正直、おかしな人生だなと思う。

元々イギリスで半年インターンしようと思っていて、現地のインターン会社と連絡を取り合っていたのだが、条件として「YMSビザが必要」とのことだった。
日本からは1000人しか取れないこのワーホリビザ。
残念ながら抽選に落ち、次に見つけた仕事がリトアニアでのインターン。こちらは日程が合わず断念。

ちなみにリトアニアだったら、シベ鉄でロシアを横断する予定だった。

もしイギリスに決まっていたら、リトアニアに決まっていたら、ここまでアジアに目を向けることもなかっただろう。
キルギスという国には当然興味も示さなかったと思う。まだ終わってないから何とも言えないけれど、この道を選んで全く後悔はない。
キルギスのご飯おいしいし。

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