2012年11月20日

アイルランドと反カトリック


黒ビールのギネスにJamesonウィスキーと楽しみが多いダブリン♪

北アイルランドもそうだけど、この辺はカトリックキリスト教徒が多く、ヨーロッパの中でも特に宗教を重んじる人の多い地域なのだそう。

10月末、妊娠17週目だった31歳の女性が病院から中絶を拒否され、亡くなったという事件があった。
アイルランドではカトリックの教えに基づき、たとえ母親の命を犠牲にしようとも、中絶を決して認めないと主張する議員が多いのだそうだ。
「科学の進歩が女性を軽々しく妊娠させ、結果子供を捨てるというようなことが起こる、いかなる理由があろうとも中絶を認めない」と。
カトリック教会や糞政治家が彼女を殺した、とダブリン市内でも大規模なデモが行われようとしていた。

今回は母親もその子も亡くなってしまったが、もし中絶していれば母親は生き残り、子供はどちらにしても殺されていた。
中絶を病院が断らなければ、「少なくとも」母親は救われていたのに、と人々はきっと抗議しているのだろう。
ただ、彼女はレイプされた訳ではない。

この子供は夫との間で出来た子で、今回の事件も彼が訴えたことで注目されだしたのだという。
病院は「彼女を救うために」中絶を行うべきだったかも知れない。
でも結局子供は?

殺された彼女はきっとカトリック信者ではなかったであろうし、彼女の夫や市民たちは、政府や教会の宗教的な考えによって殺されたとして抗議している。

中絶しようが産もうがこの夫婦の自由だし、他人の宗教観に自分の人生を犠牲にされるなんて冗談じゃねえって思う気持ちはすごく分かる。
これが例えばイラクで殺される同性愛者の話とかになったら、私だって腹が立つ。
そんなの自由じゃねえかって思う。
でもこのデモの原因を聞かされたときは「何か違わないか?」とモヤモヤしてしまった。

もちろん抗議している市民は中絶に賛成って訳じゃないだろうし、今まで溜まっていた政府やカトリック教会への怒りを今回の事件を機にぶつけているのだろうけれど。

ダブリンでは新聞会社のIrish Independent社の記者さんとカフェでお会いした。
イギリスではIndependentって新聞があるけど、こちらはアイリッシュ版。

その記者さんによると「正直全くインデペンデントじゃねえよ」らしい。
他の新聞社に比べればそりゃあ自由度は高いかも知れないが、俺はこんな報道規制の下で働くためにわざわざインデペンデントを選んだんじゃない、と文句を言っていた。

国民は逆に政府から独立した報道会社だと思って信用してくれている人もいるから、申し訳ない気持ちでいっぱいになる、とも。


ホストは70歳くらいのおじいちゃんだった。心温かくて本当に素敵な人だったなあ。
彼の家には私の他にもベネズエラ出身で英語留学に来ている女の子2人と、仕事を探しているドイツ人の韓国人女の子が泊まっていた。

カウチサーフィンを始めて4年は経っているようで今までに150人以上もの旅人を泊めたことがあるのだとか。

0 件のコメント: