2012年9月25日

再び新聞社へ−イスタンブール編


21日、アンカラを離れバスでイスタンブールへ。

1415分発のバスでイスタンブールまでは45TL。イスタンブールに近づくとだんだんと道が混み始める。6時間で着く予定だったが1時間オーバー。

イスタンブールにはアジア側とヨーロッパ側二つのメインバスターミナルがある。
ボスポラス海峡をつなぐ橋を渡り、私はヨーロッパ側のEsenlerというターミナルへ。

今度のホストはSivasでお世話になったEmreの友達Hakan
妹と友達とここで暮らしているが、地元はシリアとの国境付近AntakyaHatai)。
彼の祖父母はシリア人で、両親はトルコで生まれ育った。トルコ語とアラブ語を話す。

彼はイスタンブールの大学で工業を学んでいる。
ちょうど前日まで休暇でハタイにいて、シリア反政府派と何人か会ったそうだが、「今回は全部で150人殺してきたぜ」と自慢してくる者もいたという。

彼は政府派(アサド派)だが、この話は彼の家ではタブー。
一緒に住む友達もまたハタイ出身だが彼は反アサド派でシリアの話題になると喧嘩になってしまうからだそう。

翌日はまずCumHurrietという新聞会社へ。
数年前このオフィスは政府から爆撃を受けたこともある(幸い死者は出なかった)。入り口には常に警官が数人立っていて、中に入るときには荷物検査もある。

英語を話せる記者が時間を割いてくれ、社内を見せてもらった。
その後質問をいくつかしていたのだが、爆撃の話や政府との関係について質問し始めると急に顔色を変え、”OK, that’s all. See you”と出口まで連れて行かれ、追い出されてしまった・・。

ここが政府側なのは知っていたが(むしろだからこそ色々聞きたかったのだが)、やはりタブーに触れてしまったようだ・・。
友達も一緒にいたから余計怪しまれたのかもしれない。

仕方なく街の中心部に戻り今度はクルド人の新聞会社Gundemへ。

ここでも最初はかなり怪しまれた。というより怖がっていたように見える。
トルコ語を話すHakanといたため、スパイだと思われたのかも知れない。彼がハタイ出身でアラブ系だと言うと、ほっとした表情で中に入れてくれた。
ここでは誰一人として英語を話さない。Hakanが全て通訳してくれた。

Gundemはクルド人によるトルコ語の新聞。
Diyarbakirではクルド語の新聞社Azadiya Welatを訪問したが、Gundemはトルコ人に現実を知ってもらうためトルコ語で記事を書いているという。
ここでも、これまで政府軍によって殺された20人以上のジャーナリストの写真が並べられていた。社内全ての部屋に隠しカメラもある。

編集長と会い、今度はようやく質問させてもらえた。
ここで聞いた話は、Azadiya Welatで聞いたのとほぼ同じだった。クルド人記者たちの置かれている状況はイスタンブールだろうと変わらない。

今も多くの記者が刑務所にいて、毎日のように警察や政府から電話がかかってきては記事について指摘されるのだという。

社内には政府用の部屋もあり、毎日彼らが来て翌日用の新聞のチェックを受けなければならない。
彼ら(政府)にとって都合の悪い文章があれば、全て刷り直し。
他の新聞社と同じ写真を使っても、彼らだけが非難され、その写真を使った記者は裁判にかけられることも。

Azadiya Welatと同様、本社とは思えないほど古い建物で、社内は暗く、安いパソコンを使用していた。
女性の社員の方が多いのが特徴的。何故かと聞くと、女性の方が自由に対する意識が高く、自分らの置かれている状況をより多くの人に知ってもらいたいと願っているからだそう。
そういえばAzadiya Welatも女性記者が多かった。

それにしても、ホストがアラブ系で本当に良かった・・。
もしごく一般的なトルコ人だったら、クルド人の新聞社になんて一緒に来てくれないだろうし、彼らも受け入れてはくれなかったかも知れない。

その日の夜は飲みに。英語を学びにきているというフランス人やスペイン人に会ったが、正直なぜトルコに英語を学びにくるのか全く理解出来ない。自分の国にいた方がよっぽどまともな英語教育が受けられると思うのだが。
平日のパブはそういった学生たちで賑わっている。


翌日はイタリア人・ポルトガル人のパッカーも一緒にAYASOFIAへ。
もともと教会だったものが、モスクに建て替えられ、現在は博物館になっている。


アッラー、モハメド、中央の絵はマリアとイエスキリスト。

十字架が消された跡が残っている。

最後にブルーモスクへ。もうしばらくモスクは見られないから。
アザーンもなんだかんだで恋しくなるんだろうなあ。

ヨーロッパへ入ります。

1 件のコメント:

株とfx さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。