2012年8月22日

イランからアルメニアへ


21日、ついにイラン最後の日。この日でビザの有効期限は切れる。
20時半、テヘランから来たアルメニア・エレバン行きのバスに乗る。値段は一気に上がって100000トマン(約47ドル)。

距離的にはマシュハド−ヤズド間と大して変わらないが、運賃は約6 倍。
何故こんなに高いのかと聞くと、「アルメニア行きのバスはこの会社しかないから」だそうだ。一日に一本しかバスが出ていない。

タブリズからアルメニア国境までは約200キロ。日付が変わる前に国境に着けるか不安だったが、200キロなら高速で2〜3時間くらいで着くだろう・・。

Amirsaalarの家族に礼を言い、バスに乗り込む。
バスに乗った瞬間、また涙。1ヶ月旅したイランともついにお別れ。アフガニスタンと同様、たくさんの違った意見を聞き、今まで考えたこともなかったようなことも考えさせられた国だ。

政治、宗教、文化、歴史、自然、何もかもが詰まった国。
熱心なイスラム教徒もいれば、隠れてお酒を飲む若者もいる。

5000年の歴史と現代的な街並みを、同時に見ることができる。
美しい山々、広大な砂漠、今回は残念ながら行けなかったがカスピ海にペルシア湾。

でもやっぱり何より心に残ったのが人々の優しさだ。いつでも温かく笑顔で迎えてくれて、ずっと私を気に掛けもてなしてくれた。
この気持ちを何と言葉に表したらいいか。「ありがとう」じゃとても足りない。

本当はもっといたかったし、ビザを延長することも出来たのだけど、次に進まなくては。ここにいつまでも居る訳にはいかない。

バスは1時間後夕飯のために停車。
「ビザが切れてしまうじゃないか、早く出発しようぜ」と言いたかったが、40分ほどそこにいた。

夜の道をひたすら進む。途中から山道になり、思うように前に進まない。この時22:30。だんだんと焦りだした。

携帯の回線が”Azerbaijan Bekcell”に変わっていて、急いでコンパスを出した。もしかして間違えてアゼルバイジャン行きのバスに乗ってしまったか?と急に不安になった。コンパスの針はただ北を指しているだけで分からない。

そこで地図帳を確認し、ようやく理解した。そうだった、アゼルバイジャンの飛び地がアルメニアの南西部にあるんだった。
バスはちょうどその付近を走っていて、アゼルバイジャンからの電波を拾ってしまっていたんだ。

なかなか国境に着かない。ついに0時を切ってしまった。やってしまった・・オーバーステイだ。罰金を払わなければならないのか。

1:30、ようやく国境に到着。急いでも無駄だと分かっていても、バックパックを背負ってパスポートチェックに走る。
また長い列があり、周りはアルメニア人ばかりだ。ようやく自分の番が来たところでパスポートを差し出す。
警官がパスポートを眺め、何も言わずにスタンプを押し、返してくれた。うわー良かった!
最高の笑顔で「Merci!」と礼を言い、外へ出る。
面倒だったのか、眠かったのか、分からないがとりあえず無事に一銭も払わずに出国できたことに安心だ。


イラン出国局にて。ありがとう、イラン。

バスで少し走り、アルメニア入国局へ。ここに来て一気に女性はヒジャブを脱ぎラフな格好に。もうヒジャブを着ける必要もない。

イランにいるときは嫌で仕方なかったがいざ外すとなると少し寂しい。
そしてやっぱりまだヒジャブなしで外にいると落ち着かない。つい周りを気にしてしまう。

入国局ではまずビザ申請。申請書に記入し、写真とパスポートコピーと一緒に提出すると、写真とコピーはいらないと言われた。申請書には写真を貼る場所があるが、必要ないらしい。

念のため調べておいたホテルの住所を書いておいたが、たぶん書かなくても大丈夫。10ドル払い、21日間のビザゲット。

そのままパスポートチェックと荷物検査を通る。もう今までのようにバックパックの中身を全て出され、写真や書類を見られることはない。なんて楽なんだ。国境通過にかかった時間は2 時間。あの長い列さえなければ1時間もかからないだろう。

またバスに乗り込み、エレバンへ向かう。
何度も寝ては起き、を繰り返す。今まで頭につけていたヒジャブをブランケット代わりにして熟睡。9時頃エレバンのバス停に到着!

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

イラン、いい国でしたね。私はたった1週間の滞在でしたがひしひしと感じてます。スマホ盗られましたが(笑)
私も実はカスピ海を見たいなとも考えてましたが、時間が短く断念したんですよね。でも、今回の行程だったからこそ、あうべき

Unknown さんのコメント...

会うべき人達に会えたんでしょう。旅って、そういうものなんでしょうね。

miyu さんのコメント...

カスピ海沿いのジャングルを見てみたかったです。まあ欲張り過ぎも駄目ですね^^
旅は一期一会の繰り返しですからね。またどこかで会いましょう♪