2012年8月19日

Isramic Republic of IRAN



街中ではよく男同士で手をつなぎ、まるでカップルのようにふるまう男の人たちを目にする。
同性愛はイスラムじゃ禁止されているのに、大丈夫なのかと疑問に思い、「彼らはゲイなのか」と友達に聞くと「まさか。彼らは普通の友達だよ」と。

イスラム圏では男同士の絆が固い。
男女で手をつないで歩けないから男同士で手をつないでるんだと言う子もいた。
みんながその理由かは分からないが、なんだか切なくなる。

婚前交渉はイスラム法典シャリーアによって禁じられている。
イランでは、ばれたら未婚者は鞭打ち刑だ。公の場でイチャイチャすることさえできない。
時間をずらしてカフェに行き、別の席に座って携帯のメールで会話するカップルもいるという。


●紙幣

これはイランの紙幣「リアル」。
だが通常イランの人々は「トマン」という別の単位を使う。1トマン=10リアル。つまり、例えばここにある500000リアルの紙幣を人々は50000トマンと呼ぶ。

何でいちいちこんなややこしいことをするのか意味が分からないが、リアルという単位を使う人をまだ見たことがない。$1=約19002200トマン。

ちなみに一番手前の200トマン紙幣の男性は、革命を起こしたイランの初代国家元首ホメイニー。ほとんどの紙幣に彼の写真が載っている。
国家元首はイスラム教の最高指導者でもあり、この国の最高権力を持つ。大統領の解任も彼らの役割だ。

女性のヒジャブ着用が法律で義務づけられるようになったのも、この革命後。
ホメイニーの死後から現在にいたってはハーメネイが最高指導者として任務。街の至る所で彼らの写真を目にする。


●政治の話

街を歩いていても、レストランや店に入っても彼らの写真があるので、友達に「いやあ、この国完全に洗脳されてるね」と言ったら「ノー!!!彼らはイスラム教の最高指導者で国民は皆彼らを尊敬しているんだ」と言われた。(公共の場なのでそう言うしかない)

後で別の人に聞いた話によると、公の場で彼らは決して政府の悪口を言うことはできないらしい。
それを聞いた誰かが通報することもある。最高指導者への批判は逮捕の対象。

だから例えホメイニーやハーメネイの政治に反対の人でも、公の場では嘘をつくこともあるのだという。

とりあえずイランでは公衆の面前で政治の話をすることはなるべく避けた方がよさそうだ。

一度マシュハドの電車内で、”Felestine(Palestine)”という駅名を見つけたので「これってイスラエルのパレスチナのこと?」とホストに聞いたら、焦ったような表情で「後で話すから」と小声で言われた。空気読まなすぎでした。

イラン・イスラエル間の外交関係は最悪だ。
イラン政府は「近い将来、世界地図からイスラエルという国は消えるだろう」と公言している。タブリズでこんなポスターを目にした。


Palestine is an inseparable part of The World of Islam.
多くの人々はイスラエルという国名に敏感に反応するのだという。この国で私は間違っても「イスラエルに行きたい」なんて言えない。

●アメリカに攻撃してほしい

ここでもよくアメリカについての話題が出る。
「なぜ日本はアメリカに原発2つも落とされているのに今でも仲良くしているのか。何でアメリカに従ってばかりいるのか」と。

「中東唯一の核保有国であるイスラエルをアメリカは支持している。イスラエルはイランの核施設を攻撃しようとしていて、当然アメリカは彼らの肩を持つから、イラク、アフガニスタンの次はイランがアメリカの標的となる」

イスラエルがイランに先制攻撃を仕掛けるのは時間の問題だと言われている。
「当然アメリカはイスラエル側に、ロシアや中国はイラン側につくだろう。そうしたら日本はアメリカを支援するのだろうか」

イランとも国交がある日本は、そのときどうするのだろうか。

中にはこんなことを言う人もいた。
「今の政府はくそだ。アメリカがイランを攻撃すれば政府も変わってくれるだろう」

こういった考えを持つ人は少なくないのだという。内部ではもうどうすることも出来ないから外部から政府を変えてもらうしかないのだと。

●モダンライフ

一方で、アメリカのドラマは非常に人気で、そんな生活に憧れている人が多い。
飲んで、仲良くなった異性と付き合うとか、浮気して何が悪い!と喧嘩するとか。
そこに憧れるか?と思うところだが、イランの人からしたら非日常で、かっこよく見えて、それが西洋の文化。
だから真似しようと、誰かの家でホームパーティー開いたり、複数の異性と付き合っていたりする。

お酒も、知る人ぞ知る店で手に入る。シラーズワインなんて最高よ。

イスラム教では女性は結婚するまで処女でいなければならないが、病院で働く女性によると、彼女の病院には一日に1000人以上の女性患者が「処女膜再生」手術を受けに来るのだとか。
耳を疑うような話。

西洋に憧れているのは男も一緒だが、やはり処女がいいらしい。
手術で再生された処女膜に何の価値があるのかわからないんだけど。

汚い言葉(英語の4文字言葉)を使いたがる人も多い。
実際にこれを多用するネイティブってあんまりいないが、海外ドラマの影響でイランの人はとにかく使いたがる。
せっかく綺麗な言語を普段話しているのにもったいない。

イスラムの国ではあるが、ヒジャブをしっかり頭に巻く人は結構少ない。
チャドルと呼ばれる黒いドレスがイランでの伝統的な衣装ではあるが、これを着るのは熱心なイスラム教徒だけで、若者の多くは頭の中心から後頭部にかけて隠す。後頭部に一体何があるんだ?と言いたくなるほど、後頭部しか隠さない。髪の長い人はお団子にして、そこにヒジャブをひっかける。
真似してみたが、どうもヒジャブがずれたり落ちたり。どうやってんだろう。難しい。

ヒジャブもおしゃれなデザインが多い。
日本みたいに流行があって、今年の流行カラーはグリーンだと聞いた。

足首まで隠れるロングドレスを着るのがイスラム的に理想的なのだけど、
若い女の子たちは膝丈くらいのワンピースにジーンズやレギンス(スポーツっぽいの)を合わせる。

レギンスも最近の流行。
だがこれは足のラインがわかりやすいので「風紀警察」に指摘されることもしばしばだとか。

ちなみにこの風紀警察っていうのが、イスラム法に反している人を逮捕したり罰したりする警察で、なかなか厄介。
例えば香水をつけて歩くだけでも、「異性を誘惑しようとした」という違反行為で問われることもある。

イランの女性はとにかく美人だらけだ。
女性の私ですら見惚れてバスを乗り過ごしそうになるほど。こんな綺麗な人たちが好きな服を着て、髪をなびかせられないのが悔しくなる。

●ネットフィルタリング

3年前の大統領選挙から、イラン国内ではFacebookTwitterYouTube、ブログやあらゆる海外サイトが規制され使用できなくなった。

今こうしてブログ記事を書いているが、ブログを開こうとすると”Sorry, this page is filtered”とペルシア語のページが出てくる。

Google+はなんとかアクセスできるが何故かたまに使えなくなる。
Firefoxは使えるがGoogle Chromeは無理。 

とにかくネット規制の厳しさは半端ない。

別プロキシやアンチフィルターのアプリを使用している人も結構いて送ってもらったのだが、なぜか私のパソコンで動かない。というかダウンロードのページ自体にフィルターがかかっていて開けない。
最近さらに厳しくなったのかも知れない。大人しくアルメニアに入るまで待つことにします。。

0 件のコメント: