2013年1月13日

マリで聞いた、奴隷の話


6時にバマコを出て、少し北のセグーへ。
ここセグーでは毎年2月にミュージックフェスティバルが開かれ、国内海外から沢山の人が訪れる。
ここに来るのが1か月後だったら参加出来たのに!

2〜3時間で着くと言われていたが、なかなか着かない。

運転手の運転の乱暴ぶりももちろんだが、道のない草原の中を車が猛スピードで進むのでかなり揺れる。
久しぶりにバスで酔った。

途中の検問では銃を持った治安当局の数人がバスに乗り込み、荷物をチェック。
パスポートを見せたが、特に何も言わずに返してくれた。

ここからはその銃を持った警官もバスの後部座席に乗り、一緒にセグーへ向かう。

セグーへ着いたのは11時半。
時間がなくてホストも見つからなかったので、初めてのホテル。

日本を出てからカウチサーフィンかキャンプのみで、宿泊費をかけずにきたが、ここに来て初めてのホテル泊です。

前日にネットで探したホテルはニジェール川のほとりにあった。
一泊10ユーロ。少し高いがまあ仕方ない。旅の疲れを少しここで癒そう。


着いた初日は疲れていたので少し休み、ニジェール川沿いを一人ぶらぶら。
子供達に遊んでもらったり、畑を耕すおばあちゃんたちと話をしたり。

たまにはホテルもいいもんだなあ、と思った。
旅をしていて、特にアフリカでは一人になることが全くない。
家の中どこにいても誰かがいる。

もちろん楽しいが、たまには一人の時間も必要だね。

ホテルのオーナーはフランス人のナタリーさん。
もともと西アフリカを点々としながらNGOで働いていた方。

ナタリーさんから聞いた数年前のバマコでの話。

彼女が家で掃除をしていると、ある近所の女性が小さな子供を連れてやってきた。
その女性は、子供の首元を持ち、ナタリーの家に着くなり地面に落とし、そのまま去っていったという。

訳が分からなくなったナタリーさんはマリ人の友人に「この子は何なの!」と聞くと「ああ、『それ』はあなたの物よ。プレゼントをもらったのね」と。
そう、奴隷である。

マリだけでなく、モーリタニアでも奴隷がまだ存在する、と聞いていた。
モーリタニアのヌアクショットでも、マリのバマコでも、ホストに「まだこの国に奴隷がいるのか?」と聞いてみたが、決まって彼らは「いる訳ないじゃないか!もう昔の話だ」と言う。

知らないだけかもしれないし、ただ隠したいのかもしれない。
でも今ようやく知った。奴隷は今もいる。
歴史の中の話ではない。

ショックで仕方ないが、北部にはもっと多くのブラックアフリカンの奴隷が存在するという。

私から見れば、奴隷の子供と家族の子供はきっと見分けがつかない。
でも現地の人には分かるのだという。きっと知っている人はたくさんいるはずだ。

しかし、誰も何も出来ぬまま、奴隷の子供達は今も無償で休むことなく働いている。

ちょうどこの日(11日)から、フランス軍による北部の軍事介入が始まった。
普段なら夕方6時から市全体に通るWi-Fiも、その影響からか通らず。

ナタリーさんにも「一日と待たずマリを出ることをお勧めする」と言われたのだが、私自身セグーの街をもっと見たかったのでもう一日ここで過ごすことに。


セグーのマーケット。
人々は皆明るくて優しい。「おい中国人!お茶飲んでけよ!」と誘ってくれる(笑)。

****

13日、ブルキナファソ行きのバスに乗るためにバス停へ。
チケットは12000FCFA

8時にバスが到着する、と聞いていたが待ってもなかなか来ない。
まあここはアフリカだし・・と最初は思っていたが気付けばお昼をまわっている。

どういうことだ。
お世話になったホテルの管理人さんに電話して、バス会社の人と話してもらうと、「途中で問題が発生してバスがここまで来られなくなった」と。

何の問題なのか全く分からないが、仕方ないのでもう一泊セグーに留まることに。

11日より始まったフランス軍による北部の空爆攻撃は3日目になってもまだ続く。
イスラム過激派の兵士約100人以上が死亡した。
周辺国もマリ政府軍を支援するために軍を派遣。
私がこれから行こうとしていたブルキナファソからも500人の兵士がちょうど到着したところだ。

今回の空爆により、イスラム過激派武装勢力のアンサルディーンは報復宣言。
「イスラム圏に住む全てのフランス人は覚悟しとけ」と。

フランス人のホテル管理人さんも、もう国を出なければならないかも知れないと話していた。
私にも、「本当はゆっくりしてって、と言うのが私の役目なんだろうけど、今は早くここを出ることをおすすめする」と言いにきたくらいだ。

さて、今度こそ出国できますように・・。


2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

奴隷か・・・考えただけで胸がいっぱいで・・・コメントが浮かばないよ・・・ゴメン(涙) 

ツイッターのせいちラグです(^^

miyu さんのコメント...

いつもありがとうございます。
私も話を聞いたときは言葉が出ませんでした。